医学部に入りやすくなったのか?

「医学部定員 来年度過去最多に」というニュースを見て、

「医学部生になるのが楽になったのか」

という思いましたが、

本当にそうなのか検証してみたくなったので

少し調べて見ました。

結論から言うと、

微妙 でした。

それでは

微妙という結論に至るまでの道筋をたどってみましょう。

(まずは10月17日のニュースを見てみよう。)


引用元 NHKニュース
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101024/t10014786091000.html

医学部定員 来年度過去最多に
10月24日 13時24分
深刻な医師不足の解消を目指して、文部科学省は、来年度も医学部の定員を増やすことを決め、定員はこれまでで最も多い8930人余りとなる見通しになりました。

大学の医学部の定員は、医療費や医師の増え過ぎを抑えるなどとして、昭和50年代をピークに削減が続いていましたが、深刻な医師不足が問題となるなかで、国は平成20年度から医学部の定員を増やすよう政策を転換しました。しかし、厚生労働省が先月公表した調査では、地域で十分な医療を確保するには今よりも2万4000人余りの医師が必要だという結果が出るなど、依然として医師不足が続いています。このため、文部科学省は、来年度も医学部の定員を増やすことを決め、定員はこれまでで最も多い8930人余りになる見通しです。なかでも、地域の医師確保の対策として、奨学金の返済を免除する代わりに、一定期間、地域の医療機関で働くことを条件にする入学枠を、都道府県ごとに最大で10人まで設けるとしています。文部科学省では、医学部の定員を増やすだけでは対応しきれないとして、近く専門家による会議を発足させ、医学部の新設を認めるかどうかなど、今後の医師養成のあり方について検討することにしています。



さて、先日発表された、今年度の大学入試センター試験の志願者数は

535063人 だそうです。

医学部受験となると、私立の医学部は学費が高いです。

国公立を目指すのが一般的であると考えると、医学部生は、

センター試験を受験することになります。

従って、53万人の中から約9000人の医学部生が生まれることになります。

単純計算で、

(医学部合格者数)÷(大学受験者数)

8930÷535063=0.016 となり、受験生の1.6%が医学部に

合格すると言うことになります。


ではこれを以前のデータと比べてみましょう。

ニュース記事にある、

「昭和50年代」をピークに、という部分に注目して、Wikiで調べて見ると、

【Wiki引用】
各国公私立大学医学部の一学年分の定員の合計は1982年(昭和57年)に8,280人でピークとなったが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8

とあるので、


昭和57年の大学受験者数を調べればいいはず。

調べていくと、大学受験者数は簡単には出てきませんでしたが、

「18歳人口および高等教育機関への入学者数・進学率等の推移」
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/05/05051901/006.pdf

というものがあったので利用します。


(医学部合格者数)÷(大学入学者数)

8280÷420000=0.019 となり、受験生の1.9%が医学部生に

なれたようです。



ここまで書いて訂正ですが、

昭和57年のデータは、大学入学者数であるのに対して、

今年のデータは、センター試験受験者数でした。なので、もう一度計算するために、

近年の大学進学者数を参考値として計算し直すと、

(平成21年度の大学入学者数を利用)
http://www.gakkou.net/knowledge_ksdata/ksdata/daigaku/h21/index003.html


(医学部合格者数)÷(大学入学者数)

8930÷608731=0.014 となり、受験生の1.4%が医学部生になるようです。



考察
ではこれらのデータを比べてみましょう。



平成23年度入学の大学生における、医学部生の割合 1.4%(予測)

昭和57年度入学の大学生における、医学部生の割合 1.9%


昭和57年の方が医学部生の割合が高いようです。

つまり、今の方が医学部生になるのは難しいという言い方もできるでしょう。

ですが、大学進学率が変わっていることは見逃せない事実です。

この件については今度時間のあるときに考えたいと思います。



蛇足

「医学部生になる」という表現を使いました。

「医学部合格」=「医師国家試験合格(医者になる)」では無いのでは

ないかと思い、厳密な方を採用しました。

念のために書きますが、

医師になるのが楽だとは思ってませんし、

医学部生が勉強しないと言っているのでもありません。
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